プルーストの花園

◆アルベルティーヌを育てようかと思ったのは、写真家松本路子の『晴れたらバラ日和』の中でバルコニーで育てている60鉢のバラが咲くころに行うパーティに来た矢川澄子がアルベルティーヌというバラの名を聞き「プルーストの小説の主人公の名前かしら」と言ったと書かれていたのが発端。

矢川澄子は、好きな作家・翻訳家のひとりで、澁澤龍彦の最初の妻でもある。大学時代に彼女の小説を読んで手紙をだし(なんと恥ずかしい)ご本人から返事とともに署名入りの著書をいただいたことも思い出の一つ。頭が良くて、繊細で、意地悪で、気が向いた時の会話は楽しそうだけど、そうでないときは手におえないような人だったのではないかとも思え、そこもまた魅力の一つ。

◆『晴れたバラ日和』には続きが書かれていて、パーティから帰った矢川澄子から松本路子に送られてきたのがこの『プルーストの花園』。失われた時を求めてに出てくる草花の水彩画と小説の一説が書かれた詩画集。鈴木道彦の翻訳であとがきも書いている。読む人も限られているようで1998年初版で14年たって購入した本も初版本でした。

◆今日は我が家のバルコニーのバラを秋剪定したあとは、『失われた時を求めて』を読書中

http://blog.livedoor.jp/matsumotomichiko/archives/51258179.html

プルーストの花園 詞画集

プルーストの花園 詞画集