なつかしく謎めいて

ル=グインの短編集。ガリバー旅行記のように、私たちが住む次元とはことなる次元へと旅する紀行文。1000人に1人の割合で大人になったら翼が生えてくる次元、渡りをする人々のすむ次元、遺伝子操作が進んだ次元では玉蜀黍の遺伝子を持つ女性と主人公の女性はお茶をする。なんとも不思議な話で、示唆に富んでいるが、かつてのルグインの作品のようにストレートで辛らつな風刺ではない。ルグィン自身が年老い、円熟してきたことの反映なのだろうか。

なつかしく謎めいて (Modern & classic)

なつかしく謎めいて (Modern & classic)