『武士道シックスティーン』と『武士道セブンティーン』
◆高校の部活で剣道に所属していました。剣道はスポーツなのだけど、剣の道と書くように茶道や華道のように『道』であり、『道』と名前がつく限りは極めないといけないものだったりします。私は高校から始めたのだけど、やはり小学校の時から剣道をやってた人もいたりして、なかなかに不思議なものです。スポーツのようだけど、やっぱり「道」でもあったりするので、勝敗に負けても「力不足」ではなくて「精神修行不足」と言われたり、どうみたって竹刀は竹であって、刀ではないのだけど、そこはやっぱり「道」だから、竹刀の先を持ってたりすると先輩から「刀の刃先を持つな、愚か者」と怒られたりするわけです。なかなかに奥深い。
◆で、これはスポーツではない武士道としての剣道を追求する二人の女の子のお話。一人は警察官の娘で幼い頃から兄と一緒に道場に通い、長じては高校の教室で、「我が心の師」新免武蔵の『五輪書』を読みながら昼ごはんの握り飯とお新香を食し、食べ終わると握り飯を鉄アレイに持ち替えて引き続き『五輪書』を読むという磯山(女)と、小さい頃から日本舞踊を習い、入学した中高一貫私立校に日本舞踊部がなく、単に「日本」つながりで「剣道部」に入部した西荻(女:姉はモデル)。警察官の父に誉められたいと剣道に励み、近所の道場に通うツワモノ磯山は全中準優勝(全国中学校総合体育大会剣道)の成績を持つ女。軽い気持ちで出た横浜市民秋季剣道大会というちっぽけな地元の大会で上半身を動かすことなく「すり足」で幽霊のように移動する「日舞女」西荻に完敗。この二人が高校で出会い、剣道ってなに?青春ってなに?私って何?と(一応)悩む青春物語が武士道シリーズです。(オバカな話でしょ?)
- 作者: 誉田哲也
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◆オバカな話なんだけど、かわいいんだなぁこの二人。特に磯山は最高に面白い。お気楽な読書にオススメ