欲しいポイントとためらうポイントが一致した家

◆真面目に考えてみようかなと思ったのが、この家。今住んでいるエリアと近くて、大手不動産会社のブランドマンション。何がきっかけかというと、実は「住所」。ブランド住所というのが世の中にあるということを知ったのは、家探しをしてから。無論、「田園調布」や「成城」なんて名前が意味することは知っていたけれど、全国ブランドぐらいしかわからなかったのが実態。ところが家探しをしていると、すごいもので、いまや城南五山がどこかを言えるし(だから何なんだ)、同じ町名でも何丁目かで価値が違うこともわかってきた。マンションの公式HPを見ていると「××町のアドレスが手に入ります」といった文言が書かれていることも多い。


◆我々がこのマンションを見に行ったのは、このエリアで古くからある住宅街で海を見下ろす高台にありながらターミナル駅まで数分という利便性の高さがあるから。ターミナル駅のそばに作られたモデルルームに行き、話を聞きに行った。物件そのものは大手不動産のブランドマンションなのでまずまず。近場に住んでいる利点を生かして、そのまま現地へ散歩がてら行くことにした。ターミナル駅にまず戻って、駅の出口から現地まで時間をはかりつつ出発。ちょっとした繁華街を抜けて国道を抜け、急な階段を登ること数分。息がぜいぜいするころにようやく高台へ。高台に登ってしまえば、そこは高級住宅街。低層の高級マンションや広い敷地を立派な門構えで守るお屋敷が並んでいる。建設現場の目の前に大手企業の研究所があって、海が見えないのが残念。がけップチだと繁華街から海に抜ける風景が見えるのに、残念ながらここは2列目なので見えない。裏手に公園があり、季節になれば桜もキレイだろう。高台なので風通しもよいし、空も広い。悪くはない。



◆我が家にとって大事なものが 1.利便性(駅から7分以内)2.日当たり風通し 3.眺望 なので、この家の場合、うちが検討した最上階カド部屋の場合、1.2.はクリア。3.は派手な風景はないものの、それなりに視界は開けていそうなので3もクリアといっていい。でも、心が動かない。なぜか。それはやはり、高台だから。



◆高台だから、2と3が確保できるし、住環境的にも惹かれるのだけど、高台だから、今はいいけどあと数十年たって、高齢になったらあの坂は辛いだろう。坂を下りると繁華街があるのだけど、きっと帰りは辛くてタクシーになるだろう。あの坂があると思うだけで家を出るのが億劫になるだろう。そう思うと買う気になれなかった。



◆高級ブランドエリアである高台に住んでいた友人(今は山を降りてきている)に聞いたが、やはり同意見。さらに、購入する時にためらう点は、そのまま、自分がその家を売りに出す時に買い手がためらう点になるというのも納得がいく。



◆というわけで、比較的早い段階で購入せずを決めた物件でした。