最近聞いた面白い話し

◆韓国で人材ビジネス経営をしている知人の話。
韓国の企業は、財閥系企業を代表とする大企業と零細企業に二分されていて、日本で言う中堅企業が少ない。給与水準が最も高いのは、①財閥系企業、②欧米系外資、③日系企業、そして④零細企業の順。アジアでは欧米系外資⇒地元大企業の順が普通だと思っていたので、すこしびっくり。最近の韓国紙でも日系企業について、仕事はきついし給与水準も低い。福利厚生も悪いので就職先としてはあまり勧めないと書かれたそうだ。財閥系もすごいところになると子どもの学費も会社が出すところもあって、なかなか太刀打ちできる相手ではなさそうだ。


◆そんな財閥系企業も夢のような話ばかりではない。おおむね30代後半から40歳にかけてふるいわけがあり、大半はその段階で退職・子会社転籍などを迫られるらしい。そこで残るのは一握りの人たちだけ。上位層が薄いのでその分の給与資源を若手に振り分けることも可能だし、ポストを与えることもでき、結果的に事業成長を早い速度で実現できるのだろう。


◆ふるい落とされた人たちの行く手もそう悪いわけではない。財閥系企業と取引をしている企業は多く、外資系も財閥系と無縁の企業は少ない。財閥系企業を辞めた人たちは、財閥系企業と取引をする外資、中堅に請われて転職をするもしくは起業することが多いようだ。


◆そのようななかで日系はと見ると、日系企業の約7割は社内用語を日本語においており、ここでも世界各地の日系企業と同じ構図になっている。すなわち、日本語が出来る人を雇用、もしくは中枢にあがるには日本語がマスト条件となるため、よい人材を採用することができない。韓国の場合、日本語普及率が高いため、採用は他の国と比べて比較的、楽なようだがそれでも日本語という条件が一つ加わることに変わりは無い。残り3割の企業は英語を公用語としているという。これらの企業はグローバルに展開している企業で派遣されている日本人スタッフも、これから各国に赴任するであろう人たちだ。


◆知人は日系企業を相手にビジネスをしているので、この「日本語が出来る人」という条件には常に悩まされるという。日本人を採用したいという要望もあるそうだが、技術系はビザがすぐにおりるが、事務系では就労ビザがまったくと言っていいほどおりないそうだ。自国民の就労機会を減らすことはどの国も嫌がる。知人はNYでも人材ビジネスの経験を持つが、この点についてはまったく同じ構造を感じるという。変わらないなぁ。