女子校の魅力

◆我が家の娘はボーイッシュで粗忽、元気で、他のお子さんと比べると幼い。中学受験をする際に、共学にするか女子校にするかを親子で考えた時に、彼女が最初に主張していたのは「共学がいい。女子校のようなおとなしいのはいやだ」


◆私はというと、女子校がいいのではないかと思っていた。理由は簡単で、学年で一番勉強ができるのも、走るのが1番速いのも女子という環境は、子供に多大な影響を与えるだろうと思ったからだ。私がそう思ったのは、高校の時に女子校から入学した友達のおかげだ。私が卒業した高校は進学校で男子250人女子200人で一学年が構成される。男子の大半、女子の3分の2はそれぞれの出身中学校の学年5番以内の成績をとっている。そんな高校でも1番から450番まで順位がついてくると上位は男子が占める。運動も男子が一番となる。(これは当然だが)。そんな中で女子中から入学した彼女は異色だった。クラスで1番が男子であることに何の疑問も感じない共学中出身の我々に対して、彼女は「なんで?」と言ったのだ。彼女と会って初めて、「そうかぁ、確かにそうだ」と感じた。


◆娘と私と夫の3人で、まず共学校と女子校を見学に行った。女子校の女子たちはガサツで元気で先生に対してもストレートに反応をしているのに対して、共学校の女子たちはどこか自分を抑えているように見えた。共学校の女子のほうがよほどおとなしく、いわゆる女の子らしかった。


◆娘もそう感じたらしく、共学校幻想はさっさと捨ててしまい、受験したのは女子校だけだった。入学して8ヶ月になるが「女子校はいいよぉ、自由だし、元気だし」と言っている。彼女の良い点であるのびのびしたところは、入学後も変わることなく持ち続けている。


◆そんな話を家族でしていたら夫が「ということは、実社会のなかで男性は(そんな気がないにもかかわらず)女性を抑圧しているということなんだなぁ」と話した。そうか、そういうことか。ストレートに男性が女性を抑圧しているとは思わないが。実社会にでれば、女子校とは異なる環境の中に娘は入ることになるが、中学・高校と精神的に大きく成長する時期に「抑圧の小さい環境」でのびのび育つということが、彼女の強さを育んでくれればと願っている。