4人組

◆木曜の深夜に携帯が鳴った。友人の夫からだ。彼女が急病でもう助かる見込みはないこと。あまり長くは持たないので、生きているうちによければ病院に来てくれないかというもの。


◆彼女は大卒で今の会社に入社した時の同期の一人。4大卒女子の同期は27名。その中で彼女と私、そしてあと2人の4人は今も続く仲間。内定者研修で同じ班になったのが最初の出会い。4人とも独身寮に入寮し、数年間、生活をともにした。それぞれにその後の道は離れたけれども今も連絡を取り合う仲間だった。


◆東大卒でしっかり者、良妻賢母志向が強く、実際に、家事も料理もできて家庭的。そのくせどこか抜けている彼女Dちゃん。
慶応卒で知的なお嬢さんタイプ。おとなしそうに見えるのだけど、「毒舌」で芯が強く、周囲のことが気にならないSちゃん。
早稲田卒でふわふわしていてお調子者、何をするかわからないところがあるのだけど、実は、4人の中で会社に一番向いていたR。
神戸大卒で、とても「普通」。4人の中で最も常識的な道を歩きそうに見えるのだけど、実際は大はずれな私。


◆彼女は10年近く働いたろうか、結婚してしばらくして退社。それまでやっていた調査関係の仕事をフリーランスで続けつつ、書籍を出版する。やがて高齢出産でお嬢さんを産み、仕事と家庭とのバランスを保ち、生活を大切にしながら丁寧に暮らしていた。GW前に4歳のお嬢さんと写した写真を送ってくれて、休みはご主人の実家で過ごすと書いていた。その通りに休みを過ごし、休み明けに戻り、そして5月8日に発病したという。


◆何してんのよ、ほんとに。