専業主婦*ピアノ=東大

Catalyst2006-03-25



◆東大合格者の家庭環境を調べたら、半数以上の子がピアノ学習経験を持ち、母親が専業主婦だったという週刊朝日の記事が、私の周囲の”働く母”達の間でブーイングをよんでいる。記事はとてもお粗末なもので、合格者100人(1学年の人数は3000人)にとった調査で、「小学時代にピアノを習っていた合格者は全体の52%」「合格者家庭の専業主婦率63%」を、ベネッセの用事の生活アンケートを対照データとして、それぞれピアノ6.5%、専業主婦率56.4%と比較して、有意だといっている。


◆家庭でも話題にのぼる記事の一つだったようで、うちのオフィスに来ている派遣の女性は記事を読んだ夫から「仕事やめれば?」と冗談めかしていわれたそうだ。私の周囲の女性たちのブーイングは、いろいろあるのだが、「働いてて悪かったわね」というレベルのものから「中身のない薄っぺらな記事」「要するに東大学生の親の年収が標準よりも高いということを示しているに過ぎないでしょう」というものまでレベルも内容もさまざま。どうもこの記事は彼女たちの感情を逆なでする地雷を踏んでしまったようだ。


◆こじ付け分析というのは記者も理解しているようで、記事の最後に「もっとも、ピアノも専業主婦も、家庭に経済的余裕があってこそ。やはりビンボー人にとって、東大はとおくなるばかりなのか。」と締めている。私が疑問に感じる点のひとつは、ここ。経済的余裕があるから専業主婦を選ぶのか?経済的余裕がないから女性は働くのか?違うんじゃないのぉ?あまりにも型どおりの展開にあきれてしまう。


◆私の周囲の女性たちが感情を逆なでされるのは、「東大に入る子どもの母は専業主婦である確率がたかい」「母親が働いているのは家庭に経済的余裕がないから」とダブルで否定されたような気がするからだろう。本当にくだらない記事だ。


◆横浜も桜が咲きだした