米国への留学生の減少

Catalyst2005-05-02


アメリカへの留学生が減少しているらしい。
http://www.asahi.com/english/svn/TKY200505020153.html?t

アメリカにとって海外、特にアジアからの留学生は
優秀な頭脳移植であり、研究者・労働者の供給源だ
特に、インド・中国は質量ともに貴重なソースであり
IC(インド・チャイナ)時代を支えた国でもある
UCバークレーは丘にそって学部がならび、
理系校舎は丘の上にならんでいる
その当時、丘を登るにつれて
ネイティブな英語が減り、
インド訛り、中国訛りの会話が増えてゆく。
理系学部・大学院での、インド・中国系学生の比率の高さを
人に実感させる光景だ。

その片方、中国からの留学生が減っているらしい。
理由としては、2001年のテロ以来のビザ審査の強化
ならびに、中国本土の高等教育強化をあげている。

中国はテロ以前から、アメリカに渡った留学生を
帰国させるべく、税制、ポジション提供など
多くの勧誘策を提示している
この流れにそって帰国して起業した若者が
今の中国を支える企業群を作っている。

中国からアメリカへの留学が減っているのは
ビザ審査の強化、国内教育機関の強化だけではなく
中国で起業し成功している実例が増えたことと
も大きく影響しているだろう。
そしてもう1つは、
かつて、アメリカを崇拝していた彼らの
気持の変化ではないかと思う。
IBMのパソコン部門が中国企業に買われたことも
彼らから見ると、誇らしいことなのだろうし
アメリカ恐るに値せずという気持になるのだろう

この記事で何も述べられていないが日本人留学生は
どうだろうか。

日本人留学生は、量こそ多いが、
理系・文系ともに大学院比率が低く
大半を占めるのが、文系・学士留学であり
統計にもでてこない、短期・語学留学生である
アメリカの消費の担い手としてはカウントされても
頭脳労働者の供給源にはなりえない

他国の頭脳労働者を供給することが幸せかどうかは疑問だが
消費の担い手としてしか存在できない国というのも
そのお財布の心もとなさがわかるだけに
哀れに思う

写真:横浜山手フランス山 ローズガーデンのフレンチラベンダー