September, 11 - VOL.2

その後、1ヵ月後を皮切りに何度も出張でNYに行った
グランドゼロには、一度だけ、しかも遠くから眺めるだけで
とても近くにはいけなかった

オフィスのあるグランドセントラル駅には、
銃を持った兵隊が常時、待機。
駅構内には安否を確認するボードができていた

私の周囲には留学経験のある人たちが多く、
みながいつまでも意気消沈していた
まるでボディブローのように、
いつまでもいつまでも、影響が続いた

アメリカ人のスタッフは、
何を見てもおびえたり、
そうでなければ、
愛国者になり、戦争を声高に叫んでいた

留学経験を持ち、アメリカで勤務した経験をもつ知人は
9.11の翌日に会社をやめ、
もとから自分がしたいと望んでいた職業に転職した

同じように、あの日をきっかけにそれまでの仕事から
自分が本当にしたかったことに、
職を切り替える友人が多くいた

私自身は、
事業を平常どおりに再開させるための準備に追われつつ
喪失感をもてあましていた

今年の一月。家族でNYに遊びに行き、ようやくグランドゼロに行った
すでに荒々しい荒廃した感じも消えうせ、
大きなビルの建設現場と化していた