千代田区新築マンション

九段会館です。これは売ってません

◆家を探し始めたきっかけは、去年の夏。
このままこの家で老後を迎えるのもなぁ(何が不満というわけではなくて、単に、変化がないなぁという単純な気持ち)という気持ちになったのと、気がついたら50歳も近くなり、ローンを借りてしっかり返済できるのもあと10年じゃんという気持ちとがあわさって、
「家を買い替えない?」
と話したのが最初。
いまいち、動機がゆるいのが特徴で、その後、モデルルームにいくたびに「動機」を聞かれて困ることになります。


◆当時、夫が都心を自転車で散歩をしている時に、見つけた建設中の建物が、最初に検討した物件。千代田区のビル街で小さな地権者をまとめあげてマンション用地を確保したところ。南面と東面が道路になった角地、最寄り駅から徒歩4分。向かいにオフィスビルがたっているので、上層階であれば日当たりものぞめるところ。悪くないじゃん。と、説明会に申し込みました。


◆説明会に行ったのは去年の9月。説明会と言っているにも関わらずモデルルームも出来てない状態。資料や模型を見ながら話を聞きました。我が家の条件は日当たり、眺望、風通し、利便性。つぎに最小で2LDK、70平米以上。この条件で見てみると、最上階角にある部屋しか当てはまらず、2億後半の価格。他の部屋は小さかったり、向かいのビルでまったく視界がさえぎられるであろう部屋だったり。この物件は、条件の良い部屋が数戸(2億から2億後半)、あとは「安いけど条件がムチャ悪」という小さな部屋ばかりで中間がありませんでした。我が家の条件に辛うじてあうのは1戸だけ。なんとも不思議なマンションでした。


◆物件が変なだけでなく、売り手の様子も「売る気があるのか?」と思わせるような雰囲気。その後、何件かモデルルーム見学や説明会に出かけて他社の営業と比較して、ここの営業にかけているものがわかりました。
売り手に物件への愛情が感じられないのです。
資料をよくよく見ると、大手不動産が販売だけを受託をしている物件でした。第一回の説明会にモデルルームが間に合わなかった事情はわかりませんが、千代田区のマンションの営業は、もしかすると物件所有企業の段取りの悪さに怒っていたのかもしれないなと思いました。(物件の所有者と販売者が異なる例を、もう1物件見たのですが、そこもモデルルームの設営の悪さを営業が客の前でなげいていました。情けない。)
物件そのものも今ひとつだし、作り手と売り手の連携は悪いし、そもそも売り手に「これ、いいんです、売りたいんです」という熱意がない。一目で「こりゃだめだ」と判断、「モデルルームもない状態でお越しいただいたお礼」でクッキーの詰め合わせをもらって、さっさと帰りました。


◆その後、そのマンションはなかなか完売できず、2億物件がまだ残っているようです*1
教訓 営業は、担当物件に愛情をもつべし。営業が愛をもてない物件を、客が買うわけがない。

*1:考えてみれば営業開始から半年以上もたっている。さすがに営業所やモデルルームは閉じただろうけど、かなりの営業コストはかかっているはず。しかも売れ残りがある物件というのは価値が下がるし、新築だから安易に値下げもできないだろうし。新築物件を完売できるかどうかというのは不動産会社にとって大きな意味を持つことなんだろう