長谷川潔展
◆長谷川潔は横浜美術館のあるみなとみらい地区の
坂をあがったところにある御所山の生まれ、
戸部小学校を卒業、麻布中学を経て27歳でフランスへ渡る。
横浜美術館にとって長谷川潔は、いわばご当地の芸術家。
美術館が開館する前から長谷川潔の作品を集め、
さらに、遺族からの寄贈も受け、今回の展示会となっている。
◆長谷川潔といえばマニエール・ノワールのシリーズだが
この展覧会では風景、草木、窓などなど
さまざまな長谷川潔を見ることができる。
描き続けたジャイアントタンポポの実物(ドライフラワー)や、
マニエール・ノワールで彼が描いたキツネの人形が、
ガラスケースに収めて置いてある。
美術館のセンスのよさを感じる。
それにしても、ジャイアントタンポポの造形の面白いこと。
自然の造形のリズムや美しさを感じる。
◆「美術館まるごと全部 長谷川潔」という企画なので
長谷川潔の作品以外にも、さまざまな作家の作品が展示されている。
美術館収蔵品の中から、長谷川潔と同時代に活躍した作家の作品が
展示されているコーナーがある。
同時代に日本で創作版画の草創期を担った作家たち、
パリで交流のあった日本人作家たち、
長谷川潔に私淑した日本人作家たち。
これらの作家の作品をみて感じるのは、圧倒的な才能の違い。
美術館に作品が収蔵されるのだから、彼らも芸術家であり
才能溢れる作家たちなのだけど、やはり長谷川潔にはとうてい及ばない。
門外漢の私が一目見てわかるだけの違いがあるというのが
残酷なものだなと痛感する。
http://www.yma.city.yokohama.jp/exhibition/2005/special/04_hasegawa/whole_project.html