思うこと

今年は、身近なところで亡くなる方が多い。
こういうことは波があるように思う。


10数年前のある年は本当にひどくて、
夫の実家に二人で遊びに行っていたら、
庭を挟んで建っている義母の実家の祖母が倒れ、
義父母が救急車で祖母を病院に運び、
夫と私は、80歳を越えて痴呆症が出ていた祖父を
見守りつつ留守番をした。


祖母が入院して、義父母がその看護をしている期間に
今度は祖父母の長男、つまり私の夫の叔父がガンで入院、
祖母が亡くなったかと思うと
祖父が入院、結局のところ、数ヶ月の間に
祖母、叔父、祖父と3人の葬式を出したことになる。


この間、看護と家の守を一手に引き受けていたのが
当時50代後半の義母。
私と夫は毎週末に勤務先から2時間をかけて
実家に帰り、週末の見舞いを交代したり、
気晴らしの買い物に同行していた。

思えば義母も私たちも若かったのだろう。


今年は、11月20日生前葬を行う事になった恩師に先立ち、
6月に会社の元同僚が突然死した。
彼は私が一時期勤務したNYオフィスの人間で
経理・財務担当のオフィサー。いわゆるCFOだ。
ジューイッシュで、元ロッカーで、
愚痴ばかり言っている不良中年。
気が乗ればカラオケでシャウトしてくれた。


リタイアしたら俺はフロリダで暮らすぜ
というのが口癖だったのが、
やっぱ、マンハッタンだよな
に変わったのは、娘や息子がそれぞれに片付いた頃。


リタイアしたのに、リタイアしたくなくなってしまい
あがいていた時に、深夜の腹痛で病院に運ばれ
応急処置をされたあと、明け方に亡くなった。


彼の死を知らせるメールがオフィスに届いた時に
絶句してしまった。


互いに職場を去ることになった時、
俺はお前をRESPECTしていたよとメールをくれた。


日本に遊びに来るのを待っていたけど
もう彼は来ない。


スタッテン島のジューイッシュの墓地に
石とスコッチに囲まれて眠っている